愛とロマンな日常

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私の私による私のためのブログ

【時系列で振り返る一戦】1990.6.8 鶴田越えなるか ジャンボ鶴田 対 三沢光晴 

以前の記事でも書きましたが、私は全日本プロレス、特に90年代の全日本プロレスのファンでした。

90年代の全日本プロレスは、三沢光晴を盟主とした超世代軍とジャンボ鶴田を盟主とした鶴田軍との抗争、その後の四天王時代で最盛期を迎えるわけですが、その超世代軍と鶴田軍との抗争の幕開けとなったのが、1990年6月8日に行われたジャンボ鶴田三沢光晴とのシングルマッチでした。

当時の全日本プロレスは、ジャンボ鶴田と2枚看板を背負っていた天龍源一郎の離脱によって、存亡の危機に見舞われており、特にジャンボ鶴田天龍源一郎の盟主の座をめぐる抗争の図式に変わる、新たな抗争の図式の構築が迫られている中でした。

そこで次代のエースとして、ジャンボ鶴田のライバルとして、元タイガーマスクであり、ヘビー級に転向した三沢光晴の台頭が期待されていたのです。

そんな中で組まれた1990年6月8日日本武道館でのジャンボ鶴田三沢光晴とのシングルマッチ

この試合は、三沢光晴ジャンボ鶴田の抗争の図式を確立するため、避けては通れない試合であり、三沢光晴は必ず勝利しなければならない試合だったのです。

当時、日本で一番強いプロレスラーであったジャンボ鶴田に、三沢はどのように勝利するのか。日本中のプロレスファンが注目した、世紀の一戦でした。

今回はその世紀の一戦を時系列にまとめ、振り返ってみたいと思います。

前半から動きの大きい試合

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ゴング30秒後までこそ、相手の出方を窺う静かな立ち上がりでしたが、開始1分後に早々に鶴田の「オー」が出て、一気に動きの速い試合と変わります。

1分20秒で早くも鶴田のラリアットが炸裂、開始2分では、鶴田は必殺のバックドロップにトライします。これを切り返した三沢が今度は鶴田をスライディングキックで場外に追い落とし、プランチャスイシーダを放ちます。

開始3分で、場外は大きく盛り上がります。好試合の予感です。

鶴田主導で一転して静かな試合に。しかし。。。

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ここで鶴田は力比べに誘導し、試合をペースダウンさせます。さすがに全日本のエースである鶴田。試合の主導権を握ります。

しかし、7分50秒。長期戦になると体力に勝る鶴田優位とみたのか、三沢は二度にわたって鶴田の顔面に張り手を放ち、挑発します。むっとする鶴田。顔色が変わったのが観客の目からみてもわかります。

鶴田はジャンピングニーで三沢を吹っ飛ばし、「オー」をいれます。鶴田にスイッチが入ったのか?

挑発に乗らない鶴田。老獪にペースダウンを計る。

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二度にわたって顔面に張り手を受けて、さすがの鶴田も逆上してスパートをかけるのではないか。観客はそう期待しましたが、さすがに鶴田は老獪でクレバーでした。コブラツイスト、サイドスープレックスを挟んでスリーパーホールドと絞め技で試合のペースダウンに成功します。

大して三沢は生命線となる運動能力で反撃の糸口をつかみ、ミサイルキック、サイドスープレックス、ダイビングボディプレスで逆襲を試みます。

しかし、ロープワークで鶴田に切り返され、三沢は顔面からトップロープにたたきつけられます。反撃の糸口は潰えたのか。

防戦一方の三沢。しかし攻めきれない鶴田。

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13分過ぎに、ロープワークを鶴田に切り替えされて以降、三沢は防戦一方になります。

鶴田はパイルドライバー、ルーテーズゆずりの伝家の宝刀フライングボディシザースドロップ、ドロップキック、ジャンボキックを放ち、それぞれフォールを狙いますが、三沢もカウント2で返し、決定打を放てません。

鶴田は自らのポリシーもあって、大技を続けて放たず、さらに間に必ず体固めでフォールを挟むため、攻めに説得力がなく、三沢を押し切れないのです。

対する三沢もコーナー最上段で雪崩式ブレインバスタ―を狙うなど、反撃の糸口を探しますが、逆にジャンピングニーを放たれ、ピンチに立ちます。

16分30秒。ようやく鶴田は大技、パワーボムを放ちます。しかし、やはりここまでの攻撃に間延びがあったのか。三沢のダメージは思ったよりも軽く、続けて放とうとしたダブルアームスープレックスを逆さ抑え込みで切り返されます。カウント2。鶴田もひやりとしたでしょう。

ここからようやく三沢の反撃がはじまります。コーナー最上段から場外にむけてダイビングボディアタックが炸裂。三沢は流れをつかむことができるのか。

不完全燃焼。されど三沢が勝利したことに変わりはない。

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試合はリング内に戻り、三沢は再度鶴田を丸め込んでフォールを狙います。しかしカウントは2。どうやら三沢は徹底して一瞬のスキをつき、丸め込んでのフォールによる勝利を狙っているようです。体力差を考えるとこの段階ではまだ、三沢の勝機はそこにしかないのか。

しかしダイビングボディプレスを膝で迎撃した鶴田は、ラリアットを連発し、21分30秒、ついに勝負を決めるべくバックドロップを狙います。三沢、このピンチをコーナーポストを蹴って逃れる。やはり鶴田が技を続けて出さずに間に必ずフォールを挟んでいたため、三沢にはまだ体力に余力があったようです。

三沢もここが勝負どころと反撃に転じます。バックを取って逆転のジャーマンスープレックスホールド。カウント2.8。

さらにタイガードライバーを狙いますが、これは鶴田に返されます。

再度鶴田が攻撃に転じますが、ここでアクシデントが発生しました。

ドロップキックを狙った鶴田ですが、それを三沢が交わしたため、股間から反対側のトップロープに突っ込んでしまったのです。股間を抑えて苦しむ鶴田。

それでも鶴田は三沢にブレインバスタ―をかけようとしますが、三沢はそれを切り返して、逆にバックをとり、バックドロップを狙います。

鶴田は三沢のバックドロップを体を浴びせてつぶし、そのまま体固めへ。それを三沢が再度切り返し、丸め込んで片エビ固めへ。

一瞬のスキを突かれた鶴田は、ここでカウント3を許してしまいます。油断でしょうか。確かにこの試合での三沢の勝機はここしかなかったように思われますが。。。

同じ超世代軍の小橋・川田に騎馬を組まれて持ち上げられる瞬間。リング上ではめったに表情をあらわさない三沢が、一瞬感極まって表情を崩します。

この表情が非常に印象に残りました。

 

鶴田のバックドロップ、三沢のタイガードライバー。お互いの大技が繰り出されないまま。少し説得力にかける三沢の丸め込みでの勝利で、不完全燃焼の感がぬぐえない試合となりました。

特に鶴田は攻め切ろうと思えば、いつでも攻めきれたようにも思われ、手抜き感もいなめない結末でした。

しかし、この後の全日本プロレスの隆盛を思うと、この試合は、試合内容よりも三沢が鶴田に勝つことが重要であり、それを見事に演出した鶴田は本物の一流レスラーだったのだなと、つくづく思わされるのです。

ジャンボ鶴田伝説 Vol.3「最強の章」 [VHS]

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